木曜日

World Heritage

 世界自然遺産に指定されている鹿児島県の屋久島(同県屋久島町)で、6カ所に分散した庁舎のすべてから、ITの知識がなくても同町のホームページを更新できるシステムが始まった。国立情報学研究所が無料で提供しているオープンソースのコミュニティーウエア「ネットコモンズ」を使い、約1カ月の短期間で構築。費用も約100万円に抑えた。

 屋久島町は07年10月、屋久島と口永良部島にあった2つの町が合併して誕生した。合併前は双方の町にホームページがあったが、手作業のため更新頻度も低く、「インターネットで検索しても町の公式ホームページは上位に上がってこない状況」(国立情報学研究所)だったという。合併後、両町のホームページは統合され、更新は6カ所の庁舎から行われることになった。さらに、国内だけでなく海外からの関心も高い島の観光情報を発信したい意向もある。だが、町に予算の余裕はなく、職員の多くはITに詳しくないのが実情だった。

 ネットコモンズは、ワープロとデジタルカメラが使える程度の知識でもウエブサイトなどが作れるシステム。教育機関や中小企業などに導入されており、屋久島町でも利用を決めた。同研究所は今年1月、ネットコモンズを利用したビジネスモデルを開発する産学連携の研究センターを設置しており、今回が初の支援プロジェクトになる。

 屋久島町の日高典孝副町長は「私もワープロとデジカメが使えるくらいなので、このレベルで使えるシステムがいい。(屋久島には)海外からの旅行客も大勢来る。ホームページでもっと島のことを知ってほしい」と話した。新ホームページは旧2町の担当者がほぼ毎日更新。島内の観光ガイドが撮影した写真を公開したり、地域ごとに当番医などの情報を掲載しているほか、英語のページもスタートした。今後は防災無線を携帯電話に配信するなど、さらなるIT化を検討している

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