土曜日

SEC

ソフトウェア企業の財務報告書を読み解いたとしても、売上を簡単に評価できるわけではないだろう。しかし、株式公開企業に対しデータのタグ付けを義務化する新しい規則案がきっかけとなり、正式に提出・公開される財務報告書に真の双方向性が導入される可能性がある。

米証券取引委員会 (SEC) は14日、同委員会に提出する財務報告書について、企業の財務諸表などを記述するための XML ベースの言語『Extensible Business Reporting Language』(XBRL) 形式を採用することを義務化する規則案を承認した。

SEC によると、この規則案は、すべての米国企業に対し、大企業については2009年初頭から、その他すべての株式公開企業については3年以内に、双方向データを使用した財務報告の提出を義務づけているという。

これはつまり、四半期決算報告用のフォーム 10Q や年次報告書用のフォーム 10K などの財務報告書が、XBRL 形式に準じたタグ付きで提出されるということだ。XBRL 形式を採用することにより、重要な情報がより迅速に、確実に、低コストで投資家に届けられるようになるはずだと、SEC は説明している。

IBM を含む多くの大企業では、2005年以来、自主的に XBRL 形式を採用した財務報告書を SEC に提出していた。しかし、今回規則案が承認されたことで、米国のすべての株式会社を新しい規則に従わせるために、SEC が XBRL 形式を正式標準として認めたことになる。また、この決定は、株式公開企業が真に双方向的な財務報告書を提出する、新たな時代の到来を告げるものだ。

SEC 委員長の Christopher Cox 氏は、声明の中で次のように述べている。「この新規則案は、投資家に対し、株式を所有している企業に関するより良質で重要な情報を迅速に提供するためのものだ。これにより、財務情報の開示は、1930年代のフォームに基づいたシステムから、テクノロジを活用して投資家の利益をはかる、真に21世紀的なモデルへと変換されるだろう」

SEC によると、規則案では、米国の一般に認められた会計原則 (US GAAP) を採用し、全世界で総額50億ドル以上の浮動株を持つ企業 (およそ上位500社の大企業に相当する) に対し、2008年後半に終了する会計期間から、XBRL 形式による双方向データを使用し財務報告を行なうよう求めているという。また、同規則案は現在、一般からの意見を募集する60日間の公示期間に入っている。

今回の規則案が正式に発効した場合、新しい規定に基づいた最初の双方向データが、2009年初頭に公開されると SEC は説明している。GAAP を採用しているその他の企業は、今後2年以内に双方向データを使用した財務報告書の提出を開始する。

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