月曜日

今日のTechnology

数千年前、盲目の詩人ホメロスが初めて作品に残したトロイの木馬は、古代都市トロイを陥落に導いた。現代では、デジタルのトロイの木馬が、かつてのトロイの木馬と同じくらい力を持ちつつあるのかもしれない。Microsoft の調査報告によると、トロイの木馬に感染した件数は2007年下半期に300%増加したという。この数字は、先ごろ Microsoft が発表した『Microsoft Security Intelligence Report』の最新版で明らかになった。この報告書のデータは、『Malicious Software Removal Tool』など、同社のソフトウェアを実行している、およそ4億5000万台もの膨大なコンピュータから収集したものだ。そのためこの報告書は、一般に公開されているセキュリティ調査報告書のなかで、最も広範囲な調査基盤を持つ報告書の1つとなっている。同報告書によると、2007年下半期には、好ましくないソフトウェアの検出件数がおよそ67%増加し、Microsoft のユーザー基盤全体では、合わせて1億2950万件という驚くべき数のソフトウェアが検出されたという。また、トロイの木馬が感染経路として拡大している点については、2006年から今回の報告書まで、その傾向が続いている。2006年は、Microsoft がトロイの木馬の感染増加について警告し始めた年だ。トロイの木馬の増加率が伸びていることは、十分気がかりなことかもしれないが、Microsoft の報告書はまったく悲観的な内容というわけではない。たとえば同報告書では、セキュリティ上の脆弱性が公になった件数が、2007年下半期に15%減少したと明らかになっている。「脆弱性の開示件数が減少したのは、半年単位で見て前半期と比べてわずかに減少した2003年以来のことだ。これまでは増加傾向が続いていたため、今回の減少はやや予想外だった」と、Microsoft Malware Protection Center の主席アーキテクト Jimmy Kuo 氏は語った。

0 件のコメント: